葬儀の料金は、とかく不透明でわかりにくいと言われきましたが、さる大手の小売業社が参入して以来、一部の業者を除いて今では競って積極的にホームページやパンフレットで料金を表示する業者が増えてきました。ただ、できるだけ安くしたいとの消費者心理に付け込んで、トータル費用をあいまいにする業者もあり、特に料理や会葬御礼品など人数に応じて変動する費用については単価が高いので、業者との見積もりの相談の際には注意しましょう。また、お葬式はできるだけ簡単にしたいとの想いから、火葬だけでのプラン10万～30万円で葬儀を済ませてしまうことは止めた方が賢明です。お葬式は単なる儀式ではなく、故人との永遠のお別れを認識して心の痛みを親類や友人、知人と共有して乗り越えて行くための大事なステップでもあるからです。

従って、業者から見積書などを取り寄せたり、電話で事前相談する時には料金面だけに目を奪われてしまうのではなく、スタッフの対応もチェックしておくことが大切です。なぜなら業者の役割は、葬具の提供や手配だけではなく、円滑に葬儀を進行して遺族を様々な面からサポートすることにもあるからです。どんなに立派な祭壇を飾っても、業者スタッフの遺族や参列者への対応が悪ければ、悔いが残る葬儀となってしまいます。また、事前相談から実際のセレモニーの施行、アフターフォローまで同じスタッフが担当してくれることも、ご遺族にとっては安心できる大事なポイントになります。

このように葬儀の料金を事前に調べておくことは大切ですが、料金だけに囚われてしまうことは大変危険であると言えます。